ベストゴルフコース アメリカ・ヨーロッパ(Best Golf Courses, America and Europe)
ゴルフの歴史や設計を学んで来た者として、また熱心なゴルファーとしての観点から、ベストコースリストをここに記してみました。
何百という数のゴルフコースでプレイしてきましたが、下記に挙げる35のコースがベストコースの名にふさわしいと思います。
アメリカ | 19カ所 |
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スコットランド | 11カ所 |
アイルランド | 3カ所 |
イングランド | 2カ所 |
1.スコットランド ターンベリー(エイルザ)
このコースはリンクスランドゴルフのベストコースです。美しいリンクスは砂丘も景観の一部となっており、クラッシックなトーナメントコースとしての要素を全て持ち合わせているコースです。スコットランドに行かれることがあれば、是非この素晴らしいコースをご堪能されることをお薦めいたします。
2.アメリカ パインバレー
このコースは内陸地にあるベストコースでしょう。最近3番、4番、7番、9番、13番、14番、そして18番ホールを延長したことで、パインバレーの全般的なショットメイキング品質が向上したといえるでしょう。20回以上、パインバレーでプレイした経験上、このゴルフコースがどれだけ素晴らしいものかよく理解しています。何と言う傑作でしょう!
3.アメリカ オーガスタナショナル
アメリカ国内の起伏のあるグリーンとして最高で、またゴルフ界の中で最もよく管理された施設です。30年間、マスターズトーナメントのコースボランティアとして仕事をしてきましたので、このベストリストの中でもオーガスタナショナルを一番よく知っているように思います。私のオーガスタのお気に入りホールは13番で、ショートドッグレッグ左Par 5でイーグルやボギーを叩き、マスターズで勝利しようとしているプレイヤーをガッカリさせるのです。
4.スコットランド セントアンドリュース(オールド)
難しいバンカーによって災難が襲いかかることを避けるには、戦略的なプレイをしなくてはなりません。30ラウンド以上プレイしてきましたが、今もなおどうプレイすれば良いか勉強させられますし、常に変化する風向きにも慣れる必要があります。よき友である、セントアンドリュースのグリーンキーピング部長であるゴードン・モイヤーにオースドコースをいかに上手くプレイするかを教えてくれました。
5.アメリカ サイプレスポイント
このコースはホールのバリエーションが豊かなコースです。サンドホール、砂丘ホール、パインランドホール、そして太平洋ホールなどです。ここでプレイする機会があれば、きっと飽きる事はないでしょう。サイプレスは美しく、見晴らしがよく、またとても難しいコースです。
6.北アイルランド ロイヤルカウンティダウン
このコースは最高のルートプランを持つゴルフコースです。コースはホールからホールへ、多岐にわたるショットバリューを経験しながら流れるように進みます。私がロイヤルカウンティダウンでプレイし終えたとき、"お前はたった今、世界で最高と言われるコースでプレイしたんだぞ!"と自分に言い聞かせたものです。20年も昔の話ですが、その価値観は今でも変わっていません。
7.アメリカ シャインコックヒルズ
このコースはアメリカ国内で最も難しいコースの一つとされています。ロングアイランドの東側に位置するシャインコックヒルズは、アメリカ国内のどのコースよりもスコットランドを感じられるゴルフコースです。
8.スコットランド ロイヤルドーノック
景観の美しい、クラッシックリンクスランドのホールデザインのコースです。多くのホールから見る事ができる海の美しさは別として、様々な観点から見ても素晴らしいゴルフコースです。ハリエニシダがコースで多く見られますが、4月に訪れるならさらに美しいハリエニシダの花が咲き乱れて、本当に見事なのです。
9.アメリカ ペブルビーチ
オーシャンホールの最高の例として君臨しています。最初の数ホールとインコース中盤のホールはそれほど素晴らしいホールとは言えません。ペブルビーチゴルフコースの最大の魅力はオーシャンホールです。4番から10番、そして終盤の17、18番ホールです。
10.スコットランド ロイヤルアバディーン
ゴルフ史上最も難しいアウトコースを持つコースです。何度かプレイしましたが、結論は毎回同じでした。ものすごく難しい9ホールをプレイしたいなら、ロイヤルアバディーンのアウトコースで経験出来るだろう、ということです。ロイヤルアバディーンで素晴らしいリンクスランドゴルフを経験できるでしょう。
11.スコットランド カノスティ
このコースは世界中で一番難しいトーナメントコースです。偉大なゴルファーであるベン・ホーガンは生涯でたった1度だけ全英オープンで戦いました。それがカノスティだったのです。この最も難しいといわれるこのコースで、見事な勝利を収めました。
12.イングランド ロイヤルバークデール
大きな砂丘がフェアウェイにあることで有名なコースです。バークデールは優れたリンクストーナメントコースで多様なホールがあります。1度このコースでプレイし、2008年の全英オープン直前に再度プレイしたのですが、2度目のほうがより楽しめたように思えました。
13.スコットランド ロイヤルトゥルーン
スタート直後のホールは他のリンクスコースに比べてそれほど景観もよくないのですが、アウトコース中盤までくると、とても楽しいホールとなります。そして、その興奮が18番までずっと続くのです。このコースで2004年の全英オープン直後に、セントアンドリュースの友人エリック・バーグストルとゴードン・モイヤーと一緒にプレイしましたが、一目で気に入りました。
14.スコットランド ノースバーウィック
スコットランド内で最もユニークなゴルフホールを持つコースです。原型のレダンスタイルのグリーンが15番にあり、16番の盛り上がったホールがめったにない経験をさせてくれるでしょう。クラブハウスと最終18番ホールがどことなくセントアンドリュースのオールドコースを思い起こさせてくれるでしょう。何十回となくこのコースでプレイしてきましたが、今でも友人でグリーンキーパーのスチュアート・グリーンウッドや2009年のクラブキャプテン、アラン・フィリップスと一緒にプレイ出来るのをとても楽しみにしています。
15.アイルランド バリーバニオン(オールド)
このコースは大きなフェスクとビーチグラスの砂丘の間に作られたホールの良い例です。初めてこのバリーバニオンでプレイしたとき、このコースの大きな砂丘やホールが砂丘の合間や上を縫うように点在する姿に惚れ込みました。素晴らしいリンクスランドゴルフのお手本となるこのコースは、ゴルファーが生涯一度はプレイしたいコースです。
16.アイルランド レヒンチ
このコースは砂丘/リンクスランドゴルフコースの頂点に君臨するコースと言えるでしょう。バリーバニオンのオールドコースのほうがレヒンチよりもいいリンクスコースだと言う人もいますが、レヒンチは素晴らしいゴルフコースで、フェスク、海、砂、ビーチなどクラッシックリンクスランドのゴルフホール要素を兼ね備えています。このコースはバリーバニオンに比較的近いため、アイルランド西海岸を訪問される場合は両方のコースでプレイされることをお薦めします。
17.アメリカ ベスペイジブラック
ここは大きく、大胆で、強いコースです。ブラックは広大なゴルフコースで、ホールとホールの距離がかなり離れているのが特徴です。大胆で、内陸地にある、フェアウェイにも樹々が並んでいるようなコースにも関わらず、リンクスランドの趣があります。世界中で最も優れたトーナメントコースでプレイしたいなら、是非ともベスペイジブラックでプレイするようご計画ください。余談ですが、2002年と2009年に全米オープンのピン設置チームの一員として仕事をしました。
18.アメリカ オークモント
ローハンデのゴルファーすべてがプレイするべきゴルフコースです。1年を通してとても速いグリーンとして知られています。オークモントは素晴らしいトーナメントコースで、その名声を100年以上もキープしています。スコアを伸ばすには大変難しいコースです。2007年にこのコースで行われた全米オープンで、スティンプメーターとピンの設置チームの一員として仕事をし、日曜日の決勝ラウンド前にはグリーンスピード15フィートを記録しました。
19.アメリカ ナショナルゴルフリンクス
自然に溶け込むように造られたリンクスランドゴルフの良い例と言えるでしょう。1900年代の初めに建設されたナショナルゴルフリンクスは、アメリカ国内のリンクスランドコースを設計、建設、改良すること人生を捧げたC.B.マクドナルドの傑作の一つと言えるでしょう。シャインコックほどのメディア注目度はありませんし(2つのコースが隣り合わせだからでしょうか)、シャインコックほど難しいコースでもありませんが、楽しんでプレイ出来るコースであることは間違いありません。
20.スコットランド ミュアフィールド
ゴルフコースを進むにつれて風向きが変わるルートプランを持つ硬いコースです。海に近くとも、海沿いではありません。このトーナメントコースはよいショットを生み出すための様々なホールバリエーションが楽しめます。他のリンクスコースに比べるとさほど景観が楽しめるわけではありませんが、ミュアフィールドはそれを補うかのように、様々なゴルフホールを満喫できます。
21.アメリカ ベイヨンゴルフクラブ
リンクススタイルの都市型ゴルフコースで、13番ホールからはハドソン川とニューヨークが一望できます。アイルランドやスコットランドのリンクスコースでプレイしたことがある人なら、ベイヨンが世界中でもトップクラスの自然に溶け込んだリンクスコースであると証明するでしょう。このコースの最も印象的な特徴としては、コース真ん中の丘の上に建つクラブハウスから広大なコース全体を眺められることでしょうか。16?18番は非常に難しいホールです。
22.アメリカ プレーリーデューンズ
アメリカ国内の過小評価コースの一つです。1930年半ばにカンザス州南部に建設されたプレーリーデューンズはすばらしいホールが混じり合うコースで、野草、自然の美しさ、クラッシックゴルフコースのデザインを持ち合わせています。このコースはアメリカのベストコースでプレイしたい方にはお薦めしたいコースです。
23.アメリカ メリオン(イースト)
常に作戦を立てながらプレイしないといけない"戦略ゴルフ"のよい例の一つです。プレースメントがメリオンでスコアする鍵となります。ゴルフ界の中で、最も素晴らしい最終ホールがあるのがこのコースです。
24. スコットランド ウェスタンゲイレス
まるで終わりが無いかのように見える、フェスクやビーチグラスに覆われた小・中規模の砂丘の合間を縫うリンクスランドコースです。スコットランド内では一番楽しくプレイできるリンクスコースではないでしょうか。トゥルーン、プレストウィック、ターンベリーの近くまで行かれる場合は、是非ウェスタンゲイレスでもプレイしてください。
25.アメリカ イーストレイク
その曲がり角からボビージョーンズがひょいと顔を覗けるのではないかと思えるようなクラッシックゴルフコースです。イーストレイクのホールは難しく、最終ホールは長いPar 3です。イーストレイクはトーナメント開催可能なゴルフコースで、生涯必ず一度はプレイしたいコースです。
26.アメリカ ウィングドフット
ウエストコースは難しく長い、グリーンの周りに大きなサンドバンカーがあるコースです。このゴルフコースでいいスコアを出したいなら、点在するサンディー(バンカー)にご注意ください。ティリングハストの最高傑作の設計であるこのコースには有名な10番ホールのpar 3があります。
27.アメリカ パインハースト(No.2)
起伏したグリーンがあるため、ピン近くへのパットが難しいコースです。有名なゴルフ場設計士のドナルド・ロスは生涯の大半をこのコースの設計に時間を費やしました。幼少期をスコットランドのドーノックで過ごした影響がこのゴルフコースの設計に反映されています。私自身がロイヤルドーノックでプレイした際、ロスが設計したパインハーストのグリーンの起伏がよく似ているなと思ったものです。
28.アメリカ バルトゥスロル ゴルフクラブ ローワーコース
A.W.ティリングハストによって1920年代に設計されたコースです。アメリカ国内の最も困難なチャンピオンシップコースの一つです。
29.アメリカ バルトゥスロル ゴルフクラブ アッパーコース
こちらも姉妹コースとしてA.W.ティリングハストによって設計されました。それによって、バルトゥスロルがアメリカ国内でナンバー1の36ホール施設となったわけです。
30.スコットランド カッスルスチュアート
建設後数年しか経っていませんが、すでに国内最高のリンクスコースの1つとの評判です。田舎と海の景色、そして多様なゴルフホールに魅了されるゴルファーが多いコースです。
31.スコットランド グレンイーグルス キングスコース
ジェームズブレイドの設計で、90年が経ちました。このコースは内陸地にあり、田舎独特のなだらかな起伏があります。自然の起伏を上手く利用して造られたゴルフ場の傑作例です。美しい緑に囲まれたコースです。
32.イングランド ソーントンゴルフクラブ
チャンピオンシップコースを2つ持つこのクラブは、イギリスの100ベストコースに載るコースです。イーストコース、ウエストコース共に素晴らしいホールがあるリンクスコースです。
33.アメリカ ビクトリアナショナル
ホールの近くに小さな湖が点在します。元々炭鉱だった場所に建てられたトム・ファジオが設計したこのコースは、過去20年内に建設された新設コースの中のベストコースです。色々なショットが楽しめる素晴らしいコースです。
34.アメリカ ハーバータウン
戦略的なデザインで優れたルート設計のあるコースです。設計者のピート・ダイは1960年代にこのハーバータウンを設計したことで、当時のゴルフコース建設に新しい方向性を示しました。様々なホールがあるこのハーバータウンは、ショットプレイスメントがスコアするための鍵となるでしょう。
35.アメリカ ガーデンシティ
ニューヨーク市内にある古き良き時代のリンクスゴルフコースです。このゴルフ場に一歩足を踏み入れると、スコットランドにいるかのような錯覚に陥るでしょう。素晴らしいゴルフの経験が出来る事間違いありません。男性オンリーのクラブです。
私のベストコースリストは私自身が1度以上プレイしたことがある経験上、自分の考えや意見を述べているものです。
これらのコース以外にもまだ多くの素晴らしいコースがあり、今後も終わらない私の冒険として、世界中の素晴らしいゴルフクラブを体験しつつ、このリストをアップデートしていきたいと思います。
他のベストコースリストを目にすることがありますが、これらの評価を下す何人が実際にそのコースでプレイしたことがあるのだろう?と疑問に思うことがあります。実際にプレイしたことがないコースを評価するとしたら、きちんとゴルフコース評価者としての資格が必要なのでは?とさえ思ってしまいます。
まずはじめに、すべてのゴルフ場設計者をベストコースリスト評価者から除外したほうがいいと思います。彼らは自分が設計したゴルフ場に愛着を持っており、特に利害関係があることが多いためです。
2つ目に、商業的観点から見て左右されるような意見を述べる評価者は除外するべきです。ワイン&ダイン(ゴルフの後に素敵な食事を楽しめる)が出来る二流コースが、最近はベストコースリストに入っていることがあります。
3つ目に、ゴルフ業界誌の編集者や記者は商業的な立場から、コース評価を公平に行えない傾向にあります。
4つ目として、商業的なコネがなく、ベストコースリストにあるコースでプレイしたことがある人物のみがベストコースがどこであるかを評価できると思うのです。
もし~ならこのコースでプレイしましょう。
もしベスペイジブラックでプレイしたなら、ベスペイジレッドでもプレイしましょう。平均的なゴルファーであれば、レッドコースのほうがより楽しめるかもしれませんし、コースデザインがとても良いのです。
もしスコットランドのロイヤルドーノックでプレイするなら、テイン、ブローラ、ゴルスピーでもプレイしましょう。どのクラブもドーノックに近く、素晴らしいリンクスコースです。この内の一つでしかプレイできないとすれば、1890年に設計されたトム・モリスのオリジナルデザインが楽しめるテインゴルフクラブをお薦めします。(グリーンの評判も高いです)
もしスコットランドのロイヤルアバディーンでプレイするなら、マーカーゴルフリンクスでプレイしましょう。ロイヤルアバディーンのすぐ近くにあり、マーカーリンクスのホールは他のスコットランドのホールに劣らない素晴らしいホールです。
リチャードハーレー博士
Richard Hurley, PhD